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哲学哲学史

本専門分野は、第一に、厳密な文献読解にもとづく西洋近代哲学の古典研究を大きな柱としています。その上で、第二に、現代哲学の諸問題にも積極的に取り組んでいます。

第一の柱については、スピノザやデカルトを始めとする近世哲学、カントやフィヒテ、ヘーゲルといったドイツ古典哲学を研究の中心としています。第二の柱については、公共性や平和の問題にかかわる社会哲学、クワインやデイヴィドソンに代表される英米系の分析哲学、言語哲学、認識論、またラカンやドゥルーズなどの現代フランス哲学を研究の中心にしています。

大学院生には積極的に海外留学を勧めており、実際に多くの学生が留学を経験しています。また、現代思想文化学専門分野と連携して、和文および欧文の研究誌(『メタフュシカ』、Philosophia OSAKA)を発行し、研究例会を開くとともに、外国人研究者を招き特別講演会を開催しています。「世界哲学の日」(11月中旬~下旬)に開かれる記念イヴェントも、専門分野のかかわる大きな催し物のひとつです。

教員紹介

教授 入江幸男 教授 舟場保之 特任講師(常勤)嘉目道人

教授 入江幸男

いりえ ゆきお
1953年生。1983年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。文学博士(大阪大学)。大阪大学助手、大阪樟蔭女子大学講師、同助教授、大阪大学助教授を経て、2003年10月から現職。
専攻:哲学哲学史
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研究紹介
言語やコミュニケーションの研究、とりわけ問答関係についての論理学、意味論、語用論の研究を行なっています。これを基礎にして、何が存在するのか、認識はいかにして可能か、心と脳はどう関係しているのか、などの理論哲学、また人格論、自由論、道徳論、社会存在論などの実践哲学を展開したいと考えています。 他方哲学史の研究としては、これまでドイツ観念論の研究、特にフィヒテ哲学の研究を行なってきましたが、これからは現代の分析哲学にドイツ観念論から貢献する可能性を追求したいと考えています。
メッセージ
グローバル化の時代の中で、これまでの西洋哲学史研究の蓄積は、ヨーロッパという地域文化の研究として理解されるようになってきました。しかし、「哲学」が普遍的な学問を目指すのならば、他方でグローバルな視点での取り組みが必要になります。その一つは、普遍的なあるいは抽象的な哲学問題への自前の取り組みから出発することであり、もう一つは、グローバルな社会問題や文化問題への関心から西洋思想史に新たな光を当てるという仕事になるだろうと思います。日本の哲学研究は大きな変革期にあります。
主要業績
『ドイツ観念論の実践哲学研究』弘文堂(2001);“Dialektik und Entschluss bei Fichte”(Fichte-Studien Bd. 5, Editions Rodopi, 1993);「問と物語」(『哲学』第46号、1995);「発話伝達の不可避性と問答」(『大阪大学文学部紀要』第43巻、2003);「知を共有するとはどういうことか」(『メタフュシカ』大阪大学哲学講座発行、37号、2007);共著『グローバルエシックス』ミネルヴァ書房(2009);“A Proof of Collingwood’s Thesis”(Philosophia Osaka, Nr. 4, Published by Philosophy and History of Philosophy / Studies on Modern Thought and Culture, Graduate School of Letters, Osaka University, 2009)
概説・一般書
共著『現代思想のトボロジー』法律文化社(1991);共著『西洋哲学史 近代篇』ミネルヴァ書房(1995);共著『現代哲学の潮流』ミネルヴァ書房(1996);共著『哲学者たちは授業中』ナカニシヤ出版(1997);共編著『ボランティア学を学ぶ人のために』世界思想社(1999);共編著『コミュニケーション理論の射程』ナカニシヤ出版(2000);共著『ドイツ観念論を学ぶ人のために』世界思想社(2005)

2018年 11月更新

教授 舟場保之

ふなば やすゆき
1962年生。1992年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。文学博士(大阪大学)。立命館大学嘱託講師、大阪大学准教授を経て、2017年4月から現職。
専攻:ドイツの近代・現代哲学
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研究紹介
18世紀末に始まるいわゆるドイツ観念論の先駆者であって、現代哲学においてもなお多大な影響を及ぼし続けるイマヌエル・カント(1724-1804)を研究しています。 言うまでもなく、200年以上も前の哲学が全面的に正しいわけではなく、カントは「時代の子」でもあります。したがって、カントを批判的に受容・継承する現代ドイツを代表する哲学者であるユルゲン・ハーバーマスやカール=オットー・アーペルらのコミュニケーション論を手がかりに、カント哲学と現代の問題とのつながりを模索しています。
メッセージ
現在、啓蒙主義や原理原則主義の評判はあまり芳しくありませんが、しかしこれらがいまだかつて徹底されたことのない言説空間においては、その有効性はなお疑う余地がないと思います。では、どのような形でこれらに妥当性をもたせることができるのかという問題を、カントやカント的な現代思想を手がかりに考えてゆきたいと思います。その際、哲学オタクに陥ることなく、かつある種の迎合主義にも日和らないようなスタンスを維持しなければならないと考えています。
主要業績

『グローバル化時代の人権のために――哲学的考察』(共編著、上智大学出版2017);『カントと現代哲学』(共編著、晃洋書房2015);『人権への権利』(H.ブルンクホルスト、W.R.ケーラー、M.ルッツ=バッハマン編著、監訳、大阪大学出版会 2015);『自由の秩序―カントの法および国家の哲学』(W.ケアスティング著、監訳、ミネルヴァ書房 2013);「カントにコミュニケーション合理性を読み込む可能性について」(御子柴、檜垣編『理性への問い』、晃洋書房 2007);「ハーバーマスとロールズ その論争は不発だったのか」(永井、日暮編『批判的社会理論の現在』、晃洋書房 2003)

概説・一般書
『哲学基本事典』(共著、富士書店 1992);『カント事典』(共著、弘文堂 1997)

2018年 8月更新

特任講師(常勤) 嘉目道人

よしめ みちひと
1979年生。2015年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、近畿大学非常勤講師を経て、2017年11月から現職。
専攻:超越論哲学、コミュニケーションの哲学・倫理学
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研究紹介
道徳原理の「究極的根拠づけ」という、まるで時代に逆行するかのような目標を追求する超越論的語用論および討議倫理学に強い興味を持ち、研究を進めるうちに、それはドイツ観念論、特にフィヒテの哲学に由来する発想であるという結論に至りました。現在は、20世紀以降の言語哲学・コミュニケーション論を前提とした上で、フィクションやフェイク、ヘイトスピーチといった言語的事象に直面したとき、フィヒテを含む超越論哲学の視点から言えることがあるとすれば何か、といったことを考えています。
メッセージ
私たちは様々な規則や規範、常識や判断基準というものを受け入れた上で日常生活を送っています。それらが誤っている可能性は常にあるにもかかわらず、現代社会では、「余計なこと」を考えずに目の前の生活に没頭することを強いる風潮が拡大しているように思えます。そこで敢えて問い直す、断固として問い直すという態度あるいは営み。カントの言う「哲学する」とは、そのような態度であり営みだと私は理解しています。先人の思想を踏まえつつ、現代社会の中で哲学していきましょう。
主要業績
『超越論的語用論の再検討 ――現代のフィヒテ主義は可能か――』(大阪大学出版会、2017);“On the Precedence of the First-personal Point of View in Contemporary Kantian Moral Arguments” (Philosophia OSAKA, 13, 2018);“Consequences of the Transcendental-Pragmatic Consensus Theory of Truth” (Halla Kim/Steven Hoeltzel (eds.), Transcendental Inquiry, Palgrave Macmillan, 2016);「超越論的論証・遂行的矛盾・直観主義論理」(『メタフュシカ』43号、2012
概説・一般書
『フィヒテ知識学の全容』(共著、晃洋書房、2014)

2018年 8月更新

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