中国哲学
「諸子百家」に代表される中国の思想は、世界と人間に対する深い洞察にあふれ、わが国を含む東アジアの文化形成にも大きな影響を与えました。本専修では、儒家、道家、法家、兵家など、代表的な中国の思想について学びます。伝統的な漢籍に加え、近年発見された新資料を活用して通説の見直しを進めていく点は、本専修の大きな特色です。
また、本専修では、大阪大学の源流「懐徳堂」について学びます。附属図書館に収蔵された5万点の懐徳堂文庫の調査とそのデータベース化を精力的に進めています。
研究室の活動としては、大阪大学中国学会、中国出土文献研究会、懐徳堂研究会の事務局を兼ね、学術誌『中国研究集刊』を刊行しています。充実した研究室HPも高い評価をいただいています。
教員紹介
教授 湯浅邦弘
ゆあさ くにひろ 中国思想史/日本漢学 中国新出土文献の研究、諸子百家の研究、懐徳堂研究。 |
- メッセージ
- 古典に親しむための方法に、音読となぞり書きがあります。声に出して読み、手書きする。かつては国語教育の重要な手段でした。現代人が忘れかけているこの手法を、最近、『えんぴつで菜根譚』(ポプラ社)という本を出して、自身、改めて見直しました。55日かけて、中国処世訓の最高傑作『菜根譚』の名文を書いてみようというコンセプトです。パソコンやスマホが手放せない時代ですが、たまには「えんぴつ」もいいのではないでしょうか。
2017年 8月更新
講師 辛賢
しん ひょん 経学思想史/易学哲学史 儒教経典が各時代にどのように解釈され、受け継がれていったのか、その経学史・哲学史を探る。 |
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- メッセージ
- 近代以降、西洋の学術と文化の流入により、私たちはそれまでの儒教の権威の枠組みから自由な価値判断ができるようになりました。しかし、これはそれまで長い間培われてきた儒教の伝統から脱却したことを意味するものではありません。むしろ、20世紀以降、西洋の新しい価値観の流入は、受ける側の伝統的思想の上に変容をもたらし、全く新しいものを生み出すことさえありうるからです。今日の我々において中国古典研究の持つ意味は何か、この問題について考えていきたいと思います。
2017年 8月更新