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中国哲学

「中国哲学」は、中国の伝統的思考を、中国古典の精読を通じて分析し、広く東アジア世界の文化的特質を解明しようとする実証的学問である。

授業は、儒教の経典、諸子の文献、近年出土の新資料等を精読する「中国哲学」と「中国文化学」、漢籍資料の専門的知識およびその取り扱いについて考究する「漢籍資料学」などから成る。

研究室は、大阪大学中国学会・中国出土文献研究会・懐徳堂研究会などの事務局を兼ねる。学術誌『中国研究集刊』を刊行し、定例の研究会を主催するほか、名古屋大学の中国学関係研究室と定期的に研究交流を行っている。また大阪大学懐徳堂文庫の保存整理や電子情報化事業にも大きな役割を果たし、文学研究科懐徳堂研究センターの事業にも協力している。

研究室HPでは、研究室案内(スタッフ、学生、沿革、卒論・修論・博論リスト、卒業生の声)、授業情報、古典のことば、電子テキストなど充実したコンテンツを提供している。

教員紹介

教授 湯浅邦弘 講師 辛賢

教授 湯浅邦弘

ゆあさ くにひろ
1957年生。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退。博士(文学、大阪大学、 1997年)。北海道教育大学講師、島根大学助教授、大阪大学助教授を経て、2000年4月現職。2011年7月、大阪大学功績賞(社会・国際貢献部門) 受賞。2013年7月、中文デジタルパブリッシング・デジタルアーカイブ国際学会「優秀学術論文賞」受賞。
専攻:中国哲学/中国思想史/懐徳堂研究。
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研究紹介

近年発見された新出土資料の解読作業を通じて、諸子百家の時代から漢代に至る古代思想の成立と展開を考察している。特にここ数年は、上博楚簡、清華大学蔵戦国竹簡、北京大学漢簡などの新出土竹簡の研究を進め、その成果を『竹簡学─中国古代思想の探究』(大阪大学出版会)としてまとめた。また、平成12年度から継続している大阪大学懐徳堂文庫の調査研究・電子情報化については、総合研究サイト「WEB懐徳堂」で順次公開を進めている。

メッセージ

NHKテレビ(Eテレ)「100分de名著」に講師として出演した。対象とされた名著は、3月が『孫子』、11月が『菜根譚』。中国の古典が現代社会を生きる我々に大きな指針を与えてくれる。計画、組織、情報、リーダー、決断、機動力、柔軟性、幸福感、遇不遇への対処など。現代中国については色々な見方があろうが、古典の魅力は素直に認め、人生との伴侶とすることが大切だ。

主要業績

『懐徳堂の至宝─大阪の「美」と「学問」をたどる─』(大阪大学出版会、2016年);『テーマで読み解く中国の文化』(編著、ミネルヴァ書房、2016年);『竹簡学─中国古代思想の探究─』(大阪大学出版会、2014年);『中國出土文獻研究』 (台湾・花木蘭文化出版社、2012年);『概説中国思想史』(編著、ミネルヴァ書房、2010年);『故事成語の誕生と変容』(角川叢書、2010 年);『戦いの神─中国古代兵学の展開─』(研文出版、2007年);『上博楚簡研究』(編著、汲古書院、2007年);『懐徳堂研究』(編著、汲古書院、2007年);『戰國楚簡與秦簡之思想史研究』(台湾・万巻楼、2006年);『懐徳堂事典』(編著、大阪大学出版会、2001年);『中国古代軍事 思想史の研究』(研文出版、1999年);『中国の夢判断』(訳書、東方書店、1997年)

概説・一般書

『貞観政要』(2017年、角川ソフィア文庫);『超入門「中国思想』『(だいわ文庫、2016年);『軍国日本と『孫子』』(ちくま新書、2015年);『入門 老荘思想』(ちくま新書、2014年);『菜根譚』(角川ソフィア文庫、2014年);『論語』(中公新書、2012年);『菜根譚―中国の処世訓』(中公新書、2010年);『諸子百家』(中公新書、2009年);『孫子の兵法入門』(角川選書、2010年);『孫子・三十六計』(角川ソフィア文庫、2008年);『墨の道印の宇宙』(阪大リーブル、2008年);『懐徳堂の歴史を読む』(共編著、大阪大学出版会、2005年);『よみがえる中国の兵法』(大修館書店、2003年);『岩波講座世界歴史』第25巻(戦争と平和)(共著、岩波書店、1997年)など。


2017年 8月更新

講師 辛賢

しん ひょん
1967年、韓国ソウル生。2002年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会外国人特別研究員(筑波大学)を経て、2004年4月現職。
専攻:中国哲学、漢代易学
研究紹介
漢・唐代から宋代における易学・術数学関連の文献を調査し、その思想史的展開について研究を行っている。漢易の術数理論が、漢代以降、どのように受容されていったのか、とりわけ、新たな易学、いわば義理易が開かれる唐宋両代における漢易術数の波及、その様相について考察を行っている。漢易の「数」と「象」は、漢代的な論理展開の技術・手段に止まらず、それ自体が哲学的概念、思索の対象として進められていったが、その解釈学的変遷、特に宋代の学問形成に及ぼした影響について主な関心をもっている。
メッセージ
近代以降、西洋の学術や文化の流入により、私たちはそれまでの儒教の権威の枠組から自由な価値判断ができるようになりました。しかし、これはそれまで長い間培われてきた儒教の伝統から脱却したことを意味するものではありません。むしろ、20世紀以降、西洋の新しい価値観の流入は、受ける側の伝統的思想の上に変容をもたらし、全く新しいものを生み出していることさえありうるからです。今日を生きる我々にとって中国古典研究のもつ意味はなにか、この問題について皆さんとともに悩み続けていきたいと思います。
主要業績
『漢易術数論研究―馬王堆から『太玄』まで―』(汲古書院、2002年);「『太玄』の「首」と「賛」について」(『日本中国学会報』第52集、2000年);「後漢易学の終章―鄭玄易学を中心に」(『東方学』第107輯、2004年);「易緯における世軌と『京氏易伝』」(共著『両漢における易と礼』汲古書院、2006年);「象」の淵源―「言」と「意」の狭間―」(『大阪大学大学院文学研究科紀要』第48巻、2008年); 「王弼忘象論再考」(共著『両漢儒教の新研究』汲古書院、2008年)
概説・一般書
「三国時代の思想―言語観の射程―」(『創文』496、創文社、2007年);『三国志論集』(共著、汲古書院、2008年);『知のユーラシア』(共著、明治書院、2011年)

2016年 11月更新

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