chubun.jpg この専門分野は、他大学の大学院・中国文学研究室と特に異なった点はありません。中国文学に関わる教育・研究がただ「粛々」と行われています。大阪大学大学院の中では歴史が浅いため、組織面、設備面でまだ不十分な点があるかもしれません。とにかく若い専門分野なのです。ですがその分、少人数でアットホームな雰囲気の中、教員や先輩からゆきとどいた指導を受けることができます。ここでの教育は、語学力と資料に対する批判力の養成に主眼が置かれているため、研究テーマも自由に選ぶことができるし、また、研究室は若々しい活気にあふれているので、研究室の内外で年齢、テーマを越えた自由な交流をもつことができます。こうした自由で活気あふれる雰囲気の中で、あたらしい中国像をさがしてみましょう。

教員紹介

教授 浅見 洋二 准教授 林 暁光

教授 浅見 洋二

あさみ ようじ
1960年生。東北大学大学院文学研究科博士課程中途退学。文学博士(京都大学、2009年)。東北大学助手、山口大学講師、同助教授、大阪大学助教授、同准教授を経て、2009年4月、現職。
専攻:中国古典詩学
p_asami.jpg
研究紹介
主な研究分野は、唐宋期を中心とする前近代中国の詩と詩学。近年は特に、宋代を基点として、中国の詩学認識を考察している。例えば、次のような問題を取り上げてきた。中国文人たちは「詩」と「画」の関係、「詩」と「史」の関係をどのように捉えていたか。詩を書く自己の内面世界と自己を取りまく外部世界の関係をどのように捉えていたか。言語、特に言葉と物との対応関係をどのように捉えていたか。等々。
メッセージ
中国文学の研究は、残念ながら、今のところ人気のある分野とは言えません。その理由はさまざまですが、ひとつにはわたしたち研究者が魅力あるメッセージを広く社会に対して発してこなかったからでもあるでしょう。図書館や書店の棚を見てみて下さい。そこに並ぶ中国文学に関する書物の、なんと時代遅れで野暮ったいことか。そのほとんどは、わたしたちの知的好奇心をかきたててはくれません。このような現状を打破したいと思う諸君の結集を強く願っています。
主要業績
『距離与想像―中国詩学的唐宋転型―』(上海古籍出版社、2005);『中国の詩学認識―中世から近世への転換―』(創文社、2008)
概説・一般書
共著『蘇軾・陸游』(角川書店、1987);共訳編『現代中国詩集』(思潮社、1996);翻訳単著『幸福なる魂の手記・楊煉詩集』(思潮社、2005)

2018年 11月更新

准教授 林 暁光

りん ぎょうこう
1981年生。復旦大学博士課程卒業。文学博士(復旦大学、2011年)。浙江大学講師、同副教授を経て、2021年4月、現職。
専攻:中国文学
p_rin2021.jpg
研究紹介
中国中世文学における文章・賦・楽府・詩・志怪・史伝など多様なジャンルを横断する形で、文人像・文学像やテクストの生成などをめぐって研究を行っている。具体的には、中世貴族社会において文人家族の崩壊・復興がそのメンバーの人生および文学に与えた影響、曲水の宴などの宮廷行事に関する詩文の表現、文献の編纂・伝写によってもたらされたテクストの変貌などのテーマを考察している。
メッセージ
千数百年前の文学なんて、あまりにも遠く、現代人とは無関係だと思いませんか。しかし、「令和」という年号が『万葉集』や『文選』といった書物に由来するように、古い文学も時を超えて我々の人生に甦り、身近なものとなりうるのです。一個の短い人生にも、実は数千年にもわたる文明史が凝縮されています。昔の文学はどのような社会環境から生じて、どのような形で伝えられてきたでしょうか。それを吟味し、考察することは、我々自身を知るためにも有意義でしょう。
主要業績
著書『王融与永明時代——南朝貴族及貴族文学的個案研究』(上海古籍出版社 2014年);訳書『東洋文化史研究』(内藤湖南著、复旦大学出版社 2016年);『魏晋南北朝』(川勝義雄著、九州出版社 2021年);主要論文「六朝文学における頌について」(日本六朝学術学会報 第12集 2011年);「漢魏六朝における騒体賦の変貌」(日本中国学会報 第71集 2019年);「謝霊運をどう読むか――中国中世文学研究に対する一つの批判的考察」(『六朝文化と日本』所収 勉誠出版2019年);「「嫩」の文学史――南朝隋唐文学の一面相――」(中国文学論集 第49号 2020年)
概説・一般書
『蕭賾評伝』(上海古籍出版社 2019年)

2022年 4月更新

大学院専門分野・コース紹介一覧に戻る