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英語学

この専門分野では、英語を対象言語として(また日本語や他の言語と比較対照することを通じて)、言葉の使用のあり方、その意味解釈、言語表現の産出メカニズム、歴史的な変遷など、様々な言葉に関する疑問に取り組んでいます。何よりも大切なことは、言語事実の発見であり、それぞれの疑問のあり方、視点に応じた独自の発見を目指してもらいたいと考えています。院生の研究分野は、意味論・語用論・認知言語学・談話分析・統語論・英語史など多岐にわたりますが、研究指導は各自の専門を最優先しています。また多くの学生が高等教育機関における英語教員として巣立っていきますので、総合的な英語力の向上が強く求められています。

研究室では「待兼山ことばの会」を適宜開催し、研究雑誌(Osaka University Papers in English Linguistics(OUPEL)) [論文はMLA International Bibliographyに掲載]を刊行しています。また全員参加による「談話会」では、書評や学会発表の予行演習など学年に合わせた発表を行い、自由な意見交換を行っています。詳しくは英語学研究室のホームページをご覧下さい。

写真:「京都円山公園」にて花見

教員紹介

教授 岡田禎之 教授 加藤正治 教授 神山孝夫 准教授 田中英理

教授 岡田禎之

おかだ さだゆき
1965年生。大阪大学大学院文学研究科博士課程(英語学専攻)中途退学。文学博士(大阪大学、2001年)。第37回市河賞(2003年)。大阪大学助手、岡山大学講師、金沢大学助教授、神戸市外国語大学助教授、大阪大学大学院文学研究科准教授を経て、2010年4月より現職。
専攻:英語学
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研究紹介
言葉の類像性の研究、機能主義的文法分析など。言葉は人の思考内容を伝えるものである以上、メッセージ伝達という機能を効率的に行える形に整えられているでしょうし、メッセージ内容が異なれば、それがたとえ微々たるものであっても何らかの形で形式に反映されるのではないかという発想から、言語形式とその意味機能の対応関係(言葉の類像性)を検証していきたいと思っています。近年は、文の主要な参与者である主語・目的語などの項要素と、メトニミー的な語彙意味拡張の対応関係に興味をもって、自分なりに考えています。
メッセージ
我々が普段何気なく使っている言葉の裏にも、様々な合理性や規則性が認められます。何故この表現を使ったのか、何故他の言い方ではだめなのか、何が足りないのか、といったことを考えることは、それ自体が立派な言語学的課題であると思います。私たちが瞬時に無数の可能性の中から適切な表現を選択し、メッセージ内容を相手に伝達することができるのはどうしてなのでしょう。言葉についての研究は私たちにとって卑近なものであるはずですし、自分の問題意識を追及していくことが大切だと思います。
主要業績
“On the Parallelism between Sentence-formation and Text-formation with Special Reference to Coordinate Structures.” Lingua 103(1997); “Reflexive Pronouns with Split Antecedents.” Journal of Pragmatics 30(1998); "On the Conjoinability of Affixal Morphemes in English.” WORD 50(1999); "On the Function and Distribution of the Modifiers Respective and Respectively.” Linguistics 37(1999);『現代英語の等位構造』(単著、2002)大阪大学出版会; “Comparative Standards and the Feasibility of Conceptual Expansion.” Cognitive Linguistics 20(2009)
概説・一般書
『認知意味論』(共訳1993)紀伊国屋書店;『英語学用語辞典』(共著1994)三省堂;『ユースプログレッシブ英和辞典』(共著2004)小学館;『英語多義ネットワーク辞典』(共著、2007)小学館

2017年 8月更新

教授 加藤正治

かとう まさはる
1955年生。名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程修了(英語学講座)。文学修士(名古屋大学、1979年)。名古屋大学助手、甲南女子大学講師、大阪外国語大学助教授、同教授を経て、2007年10月より大阪大学大学院文学研究科教授。
専攻:英語学
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研究紹介
英語の歴史的変化を現代言語学(「生成文法理論」)の枠組みでどのように記述するかを研究しています。英語の母国語話者は頭の中に英語を自由に操る能力、即ち「英語の文法」を内蔵しています。従って、英語の歴史的変化とはそれぞれの時代の母国語話者が持つ英語の文法の変化にほかなりません。文法を規則と原理の体系であると単純化すれば、「文法の変化」=「規則と原理の変化」ということになります。そのような変化の中でも特に統語変化を生成文法理論でどのように説明するかを研究しています。
メッセージ
統語論研究は謎の解明に似たところがあります。興味深い統語現象という謎が提示され、次にそれに関する一連の事実が観察によって得られる。それらの事実をもとにして、利用可能な原理・原則、規則といった手段を駆使して(場合によっては新たな原理・原則、規則を提唱することもあります)、その謎を解明する。謎が鮮やかに解明された時の爽快感はなにものにも代えがたいところがあります。そのような爽快感を味わってみたい方のお手伝いができればよいと思っています。
主要業績
「16世紀及び17世紀の英訳聖書の『マタイ伝』にみられる倒置とThere 構文」『近代英語の諸相』(英潮社、1993);「NegPと英語否定文の変遷」『近代英語研究』第10号(1994);「否定命令文の変遷に関する一試案―研究ノート―」『言語の深層を探ねて』(英潮社、1996);「『欽定訳聖書』にみられる動詞第二位現象について」『待兼山論叢』第43号(2009);「『カンタベリー物語』にみられる否定辞neについて」『英米研究』第36号(2012)
概説・一般書
『現代英語正誤辞典』(共著、研究社、1996);『英語学用語辞典』(共著、三省堂、1999);『ワードパル和英辞典』(共著、小学館、2001)

2016年 11月更新

教授 神山孝夫

かみやま たかお
1958年生。東京外国語大学大学院外国語学研究科修士課程修了。博士(文学)(東北大学)。大阪外国語大学外国語学部教授を経て、2007年10月より大阪大学大学院文学研究科教授。
専攻:歴史言語学、音声学、ヨーロッパ文化史
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研究紹介
第一の専門は英独仏露等,ヨーロッパ諸語の歴史的研究と、それらが書き留められる以前の姿を推定し,祖語の再建を目指す印欧語比較言語学です。 従来の研究に潜在する矛盾を見出し,成果を補正する試みを行っています。 第二の専門は音声学です。 ヨーロッパ諸語と日本語の音声的差異を研究しています。 かたわらで文字論や日本語史、また中世ヨーロッパを中心に歴史、宗教、神話、文芸,歌謡等にも大いに関心があります。 授業では英語史、印欧語比較言語学、英語音声学等を担当します。
メッセージ
英語ないしヨーロッパ諸語の歴史的あるいは音声学的研究を志す方、また印欧語比較言語学に挑もうとする方を歓迎します。
主要業績
『日欧比較音声学入門』(鳳書房、1995);アンドレ・マルティネ 『「印欧人」のことば誌: 比較言語学概説』(訳編、ひつじ書房、2003); 『印欧祖語の母音組織: 研究史要説と試論』(大学教育出版、2006); 「ヨーロッパ諸語における様々な r 音について: 起源と印欧語学への示唆」 『待兼山論叢 文化動態論篇』 48 (2014); 「OE byrðen "burden" vs. fæder "father":英語史に散発的に見られる [d] と [ð] の交替について」 『言葉のしんそう(深層・真相):大庭幸男教授退職記念論文集』(2015) など.
概説・一般書
『新英和大辞典(第6版)』(外来語発音、研究社、2002); 国際音声学会編 『国際音声記号(IPA)ガイドブック: 国際音声学会案内』(竹林 滋氏と共訳編、大修館、2003); 『脱・日本語なまり: 英語(+α)実践音声学』(大阪大学出版会、2008); 「外国語発音習得における母語音声習慣認識の必要性」(招待講演、日本英語音声学会 関東支部、2011); 「印欧語比較言語学: 成立までの経緯と方法論素描」(招待講演、日本英文学会 北海道支部、2011); 『ロシア語音声概説』(研究社、2012); 「Vinaverの秘められた経歴」 シンポジウム「Bédier, Vinaver そしてFieldへ: Malory学への最新情報」(招待講演、国際アーサー王学会日本支部、2015) など.

2016年 8月更新

准教授 田中英理

たなか えり
1975年生。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。2007年博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、愛媛大学教育学生支援機構英語教育センター講師、大阪医科大学総合教育講座講師を経て2015年10月より現職。
専攻:英語学
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研究紹介

専門分野は、形式意味論、統語論·意味論のインターフェース。特に、段階性(gradability)を示す述語(形容詞や動詞など)が通範疇的な特性を示す現象について研究を行っている。また、動詞の意味と統語論の関係にも関心を持っており、非能格自動詞が他動詞化するなどの特殊なヴォイスの交替についての研究を行っている。
一方で、理論言語学の英語教育への応用についても関心を持っており、これまでに明示的な音声学的指導を取り入れた教育実践などを行ってきている。

メッセージ
英語学(言語学)は、言語事実を丁寧に観察することの積み重ねによって成立しています。研究者によってそれぞれの理論的観点は異なっても、この点は共通していると思います。大学院では、教員、先輩院生とともに、理論の勉強だけでなく、是非言語事実の観察力、分析力を鍛えて欲しいと思います。また、学会発表、論文執筆のためには英語の運用能力が欠かせませんので、英語力を日頃から鍛えて欲しいと思います。
主要業績
"The notion of path in aspectual composition: Evidence from Japanese." Event Structures in Linguistic Form and Interpretation (J. Dolling and T. Heyde-Zybatow (eds.) ) Berlin: Mouton de Gruyter. (2008) ;「英語音声学的音韻論的特徴の習得を目指した授業の効果検証」JALT Journal 33-1. (2011、山西博之と共著)

2016年 8月更新

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