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国語学

国語学は、国語の音韻、文字・表記、文法、語彙などについて、上代から近・現代にわたり、通時的・共時的に研究する。本研究科においては、「日本語学」が現代語を主な対象とするのに対し、「国語学」では、通時的研究に重点を置き、時代を遡った文献に見える国語を主な対象とする。

文献により実証することを重視するので、文献をどう読むかという点で「日本文学」の知識も必要で、研究活動をともにしている。

2016年度の大学院生は15名、うち留学生4名である。指導教員ごとに、修士論文・博士論文の個別指導・論文作成演習を行う。「日本文学」「比較文学」とともに、10月に修士論文中間発表会、7月・11月に大学院生研究発表会を行う。学会での研究発表なども勧めている。

その他、国語語彙史研究会・土曜ことばの会の事務局を置くなどしている。

教員紹介

教授 金水敏 教授 岡島昭浩准教授 岸本恵実

教授 金水敏

きんすい さとし
1956年生。1982年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。博士(文学)(大阪大学、2006年)。東京大学助手、神戸大学教養部講師、大阪女子大学助教授、神戸大学文学部助教授を経て、2000年4月現職。
専攻:国語学/言語学
p_kinsui
研究紹介
広く、日本語文法の歴史的研究と、役割語研究に携わっている。日本語文法については、存在表現の歴史、歴史統語論、歴史語用論に関わる研究を行ってきた。存在表現は、「いる」「おる」「ある」とその敬語形の対立について、歴史的・地理的な観点から研究している。歴史的統語論については、複文の構造を中心に生成文法に準拠した研究を行っている。歴史語用論は、指示詞、移動動詞、授与動詞、敬語等に着目しながら、人称に関わる現象の歴史的変化、地理的分布等について研究している。役割語とは、人物像と結びついた話し方のステレオタイプのことで、その原理と機能、歴史的形成過程、外国語との対照等について考えている。
メッセージ
今、言語の歴史的な研究が大変おもしろくなっています。言語学の新しい理論が、言語の歴史に新しい光を当てつつあるのです。日本語は、文献、方言ともに歴史的資料の宝庫であり、世界中の言語学者が日本語のデータに注目しています。国語学で積み重ねられてきた成果も、新しい目で見直すことによって、新たな発見・再発見につながっていくことと期待されます。どうぞ、私たちの研究室においでになって、熱い探求の息吹に触れてください。私の研究や授業その他の詳細については、ホームページを参照してください。
主要業績
『現代言語学入門4 意味と文脈』岩波書店(共著、2000);『日本語の文法4 時・否定と文脈』岩波書店(共著、2000);『日本語存在表現の歴史』ひつじ書房(2006);『役割語研究の地平』くろしお出版(共編著、2007);『シリーズ日本語史4 日本語史のインタフェース』岩波書店(共編著、2007);『シリーズ日本語史3 文法』岩波書店(共編著、2011)
概説・一般書
『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』岩波書店(2003);『マンガの中の他者』臨川書店(共著、2008)

2016年 11月更新

教授 岡島昭浩

おかじま あきひろ
1961年生。1987年、九州大学大学院文学研究科博士後期課程中退。文学修士(九州大学、1986年)。九州大学文学部助手、京都府立大学女子短期大学部講師・助教授、福井大学教育学部(教育地域科学部)助教授、本研究科助教授・准教授を経て2010年現職。
専攻:国語史・日本語学史
p_okajima2017
研究紹介
日本における漢字音の歴史、漢字音研究の歴史について研究することを足がかりにして、国語音韻史、日本語学史、辞書史についても研究している。なお、専攻に書いてある「日本語学史」は、日本語研究の歴史と、日本における言語研究の歴史を合わせた呼び名のつもりである。また、研究とは言えないような、言語に関する意識の歴史をも含めて研究したいと思っている。
メッセージ
過去から現代まで伝わって来たものを、我々は後世に伝えて行けるだろうかと不安になることがある。見出した資料が複写されることもなく天下の孤本として存在しているのを見たり、長く閲覧する人の居なかった書物であれば他所にあろうとなかろうと棄ててよいという意見を聞いたりする時である。文学研究に志す人も、よいものだけ伝えればよいと思うのではなく、多くの情報を伝えるよう考えて欲しい。
主要業績
『シリーズ日本語史2 語彙史』(岩波書店2009、共著);「「ひいやり・ふうわり」型から「ひんやり・ふんわり」型へ」『国語語彙史の研究36』(和泉書房 2017);「明治中期の回覧雑誌「共究会文章会」」『大阪大学大学院文学研究科紀要』54;「半濁音名義考」『筑紫語学論叢』(風間書房2001);「江戸期韻学における音韻日月燈」『明清時代の音韻学』(京都大学人文科学研究所2001)
概説・一般書
「元禄の辞書」(『元禄文学を学ぶ人のために』世界思想社2001)

2017年 9月更新

准教授 岸本恵実

きしもと えみ
1972年生。2000年、京都大学大学院文学研究科国語学国文学専修博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)(京都大学、2003年)。大阪外国語大学助手・講師・助教授、国際基督教大学准教授、京都府立大学准教授を経て、2017年4月より現職。
専攻:国語学
p_kishimoto2017
研究紹介
16・17世紀、ザビエルに始まる日本宣教に伴って作られたキリシタン資料、なかでも、ラテン語・ポルトガル語・日本語対訳の『羅葡日辞書』(1595)や日本語・ポルトガル語対訳の『日葡辞書』(1603-04)などについて、当時の日本語の意味や用法がどのように記されているか、どのように編纂されているか、国内外の他の書物とどのような関係にあるかなどを研究しています。
メッセージ
キリシタン資料は、国語学において、とくに音韻史・文法史上重視されてきました。近年はさらに、他の日本語文献と同様、新しい視点からの研究も活発になっています。ほぼ同時期の、中世末期から近世初期の様々な日本語文献との比較はもちろん、宣教師たちの知的基盤であるヨーロッパの文献や、アジア・アメリカなど他の宣教地で作られた現地語文献との比較も本格的に展開されるようになりました。今後国語学で明らかにされる成果とその発信は、国内外で期待されているといえるでしょう。
主要業績
『ヴァチカン図書館蔵 葡日辞書』京都大学文学部国語学国文学研究室編・臨川書店(1999)翻刻・索引・解説。“The Process of Translation in Dictionarium Latino Lusitanicum, ac Iaponicum.” Journal of Asian and African Studies 72 (2006).「宣教を意識した『羅葡日辞書』の日本語訳」『訓点語と訓点資料』第121輯(2008)。“Translation of Anatomic Terms in Two Jesuit Dictionaries of Japanese.” Zwartjes, Otto, Zimmerman, Klaus and Schrader-Kniffki, Martina eds. Missionary Linguistics V: Translation theories and practices, John Benjamins, Amsterdam (2014).『フランス学士院本 羅葡日対訳辞書』清文堂出版(2017)解説。
概説・一般書
「キリシタン語学の辞書」豊島正之編『キリシタンと出版』八木書店(2013)

2017年 9月更新

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