懐徳堂研究センター

今も未来に応え続ける280年の歴史

懐徳堂の誕生

当時の懐徳堂の様子 懐徳堂は、享保9年(1724)、大坂町人によって創設された学問所です。江戸時代の後半約140年にわたって大坂の学術の発展と商道徳の育成に貢献しました。一時は、江戸の昌平坂学問所と並ぶ隆盛を誇ったと伝えられています。中井竹山(なかいちくざん)・履軒(りけん)兄弟をはじめ、富永仲基(とみながなかもと)・山片蟠桃(やまがたばんとう)などのすぐれた学者を輩出しました。大阪大学はこの懐徳堂を源流とする総合大学です。

精神を受け継ぐ阪大文学部

明治2年(1896)に一旦閉校した懐徳堂は、大正5年(1916)に再建されます。懐徳堂の復興と顕彰を進めたのは、財団法人懐徳堂記念会です。再建された懐徳堂は、昭和20年(1945)の大阪大空襲によって焼失するまで、大阪の市民大学・文科大学として多くの市民に親しまれました。幸いに戦災を免れた3万6千点の資料は、昭和24年(1949)、文学部の設立を機に、記念会から大阪大学に寄贈されました。以後、大阪大学は記念会と協力して各種事業を展開しています。

社会に開かれた「知」と「徳」

市民講座の様子 その中心となって運営に当たったのは、文学部です。昭和51年に『懐徳堂文庫図書目録』を文学部創立25周年事業として刊行しました。また、記念会と協力して春秋記念講座・古典講座などの市民講座を開講しています。そこに一貫するのは、懐徳堂創立以来の開かれた精神、自由・独創を重んずる気風です。

懐徳堂センター

文学部では、懐徳堂の魅力を多くの皆さんに知っていただくため、部内に懐徳堂センターを設けています。ここでは、貴重資料のパネルやデジタルコンテンツを常設展示しています。

平成の懐徳堂

21世紀を迎え、懐徳堂は新たな展開をとげようとしています。文庫資料の総合調査、電子情報化事業、アーカイブ講座など、新たな試みは内外で注目を集めています。

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懐徳堂事典の表紙